感性・官能評価システム J-SEMS

官能評価Q&A

官能評価Q&A

質問1

これまで作ってきたジュースの原料の一つが,生産地の問題で入手が困難になりそうです。
他の産地の同等品を使ってジュースを作りたいのですが可能でしょうか?
消費者に味の差が分かっては困るのですが,いかがでしょう?

回答例

既存のジュースと生産地の異なるジュースの間に差が感じられるかどうかを評価する必要があります。
手法としては、専門パネルを使用した分析型の官能評価の中から選ぶことになると思いますが、あらかじめ順位がついているものではないので、3点試験法1対2点試験法が適用できると思います。
なお、今回は、既存の試料は1種類ですので、配偶法は使えないと思います。また、あらかじめ順位がついてはいませんので、2点識別法も使えないと思います。
3点試験法1対2点試験法で評価して、識別不能という結果が出れば、同等品とみなすことになります。

質問2

質問1に続いて、実は,ジュースの生産工場は,各地にあって,それぞれ微妙に差があります。それぞれの工場で作られたジュースに差があるのか無いのか?
あるとすれば,どのような違いがどの程度あるか,が分かるものでしょうか?

回答例

考えられる手法としては、QDA法があげられます。ジュースの味を評価するための適切な用語を選定して、選んだ用語に関して、それぞれの工場で作られたジュースの味をQDA パネルが線尺度で評価します。用語ごとに、各工場で作られたジュースの評定平均を求め、分散分析により、どの用語に関して工場間で差があったのかを検定します。

質問3

A社では,この度、口溶けのよい新製品を作ったのですが,ほんとうに,ねらいどおり消費者に感じてもらえているかを既存の代表的な他社製品5 品目との相対的な関係から説明することができますか?

回答例

「ねらいどおり消費者に感じてもらえているか」ということですので、一般パネルを用いた官能評価になります。
かりに新製品をA、他社の既存の製品をB,C,D,E,F とします。
手法としては、以下の二つが考えられます。

  1. フリードマンの順位検定を用いる方法:「口溶けの良さ」に関して、AからFの製品の順位付けをしてもらいます。フリードマンの順位検定により各製品の順位値を求め、製品間で順位値に差があったか、さらには、製品Aの順位が一番高く、二番の製品との間に有意差があったかどうかを検定します。
  2. 採点法を用いる方法:「口溶けの良さ」に関して、AからFの製品を採点法により評価してもらいます。例えば、七段階評価で、極めて口溶けがよいと感じたら7、極めて口溶けが悪いと感じたら1というように評価してもらい、各製品の評定値に関して、一元配置の分散分析を行います。分散分析の結果、製品の違いの効果(主効果)が有意かどうかを検定し、さらには、A が他の製品に比べて平均評定値が有意に高かったかどうかを検定します。

質問4

口溶け,とは時間にそって,どのような要因がどのように変化する事なのか,を知ることができますか?

回答例

一般パネルを対象にして、「口溶け」「ミルク味」「甘さ」等々、その製品の味に関連した評定用語に関して、採点法で評価してもらいます。
次に、採点法の評定結果を因子分析し、「口溶け」と同じ因子に含まれる(「口溶け」と関連した)評価用語をピックアップします。
このようにして評定用語が確定したら、当該の製品を口に含んだ後、時間の経過に伴って、それぞれの用語で表現できる感覚の強度がどのように変化したのかをTI 法TDS 法で測定すれば、時間による各要因の変化を調べることができると思います。

質問5

自社とA社,B社の鉛筆の書き味の良さを比較して、自社製品と他社との書き味の良さの違いを客観的に調べることはできますか?

回答例

いくつかの方法があると思いますので、以下に箇条書きにします。

  • 嗜好型パネルに対して、自社、A社,B社の鉛筆の書き味の良さを比較して、1位から3位までの順位付けをしてもらいます。次に、フリードマンの順位検定でこれらの鉛筆に対する評価結果に差があるかどうかを検定します。
  • 嗜好型パネルに対して、採点法を用いて、自社、A社,B社の鉛筆の書き味の良さを7段階評価してもらいます。その結果を一元配置の分散分析をすることにより、これらの鉛筆に対する評価結果に有意な差があるかどうかを検定します。

質問6

質問5に続いて、
A社,B社,自社などの製品の特徴を視覚的に分かりやすくまとめる事はできますか?
企画部などの素人の方にも分かりやすいとなおいいのですが。

回答例

A社,B社,自社などの製品の特徴をSD法もしくはQDA法で評価します。それぞれの製品に関して、評価用語ごとに評価結果の平均をとり、その結果をプロフィールにして描き、製品間の比較をする方法があります。
さらには、評価結果を因子分析もしくは主成分分析し、得られた因子負荷量を基にして、製品がどんな因子で構成されているのかを明らかにします。そして、製品ごとに各因子の因子得点を求め、それらを2次元のグラフ上にプロットする方法もあります。