感性・官能評価システム J-SEMS

サイン検定

サイン検定

書籍「製品開発に役立つ感性・官能評価データ解析−Rを利用して−」より引用
検定表、数表は省略しています。

また、表示の関係から、数式が正しく表示されていない部分があります。

J-SEMS.PROで以下の解析を行うことができます。

手法

二つの試料AとBがあった時に、j人の評価者が下した2つの試料の順位の判定に差があるかどうかを検定する時に用いる。

事例

デザインは同じであるが、表面に光沢のある黒の皮のバッグと光沢のない黒の皮のバッグのどちらが上品な感じがするかを、30人のパネルに聞いたところ、20人が光沢のない方が上品な感じがすると答えた。両者の間には、有意な差があるといえるか。

考え方

この場合、かりに、試料Aの方が上位と判断された場合をプラス、試料Bの方が上位と判断された場合をマイナスとする。そして、プラスの符号をもつものの数SA、ないしは、マイナスの符号を持つものの数SBを数える。SA とSB で、少ない方の数をS とする。
試料Aと試料Bの分布が同じであれば、Sはp=1/2の2項分布に従う。サイン検定は、このS を使って仮説検定を行う。

帰無仮説H0 と対立仮説H1 は、以下の通りである。

H0: SA = SB
H1: SA > SB またはSA < SB(片側検定)
SA ≠ SB (両側検定)

帰無仮説H0 のもとでは、S はp=1/2 の2 項分布に従う。
片側検定の場合、下側確率がα以下になる最大の点(下側パーセント点)を求める。SA もしくはSB
よりも小さければ、危険率αで有意になる(両者の順位は有意に差があることになる)。

なお、 で近似される。

両側検定の場合、上側確率がα以上になる最小の点(上側パーセント点)は、n-で与えられる。下側確率がα以下になる最大の点(下側パーセント点)は、で与えられる。下側確率がα以下になる最大のは、片側検定の場合と同様に求められるが、両側検定の場合、αの値は、片側検定のそれの半分になる。

今回の事例では、試料Aを光沢のあるバッグ、試料Bを光沢のないバッグとすると、SA=20、SB =10、n=30となる。この場合には両側検定になるので、5%水準での有意点は、α =0.025 に該当する値を上記の近似式で計算する。正規分布表()、  なので、上側パーセント点は、

下側パーセント点は、

となる。以上より、SA もしくは SB が 9 以下、あるいは、21以上であれば、5%水準で有意となる。 今回の事例では、SA=20、SB =10 なので、いずれも該当せず、有意差があるとはいえない。

この他に、検定表による方法もある(略)。
検定表(略)には が示されているので、SAとSBの内、数の少ないSBで検定する。n=30で両側検定であるから、5%水準で検定する場合は、n=30、α =0.025のところの値を読むと、その値は9である。つまり、SBが9以下であれば、5%水準で有意ということであるが、SBの数は10であったので、有意ではないことになる。