感性・官能評価システム J-SEMS

J-SEMS.AIを開発しています

J-SEMS.PROやJ-SEMS.TIMEの検査結果を学習し、指定した特徴をもつ試料をAIで推薦することのできるシステムを開発しています。

J-SEMS.AI(開発中)

概要

J-SEMS.PROの順位法では、各試料を複数の項目で評価することができます。

ここでは、10種類のオレンジジュースの美味しさを甘味と酸味で説明できるかを検査解析しています。
逆に、消費者が酸味が少なく、甘味が強いオレンジジュースが好みの時、どの試料を推薦できるかは、この解析では出力することはできません。この例では評価項目が甘味と酸味でしたが、喉ごしや香り等の評価項目が増えた場合、推薦する試料選ぶことは難しくなってきます。

J-SEMS.AIは検査結果を機械学習(ディープラーニング)することにより、指定した感性に該当する試料を選び出すことを可能にするシステムです。

官能評価とAI


J-SEMSに導入されるAIは機械学習を使ったものです。機械学習とは人間の脳が学習するシステムを機械で再現するものです。例えば、人間は男性と女性を顔で判断することができます。これは、脳が男性と女性の特徴を学習し、その特徴をもつ顔を見たとき、学習結果から判別していると考えられます。
機械(コンピューター)学習とは、この仕組みをソフトウエアで再現したものです。具体的には、写真を複数枚用意し、これは男性、これは女性と学習させます。学習完了後、任意の写真を提示すると、コンピューターは男女を区別できるようになります。男女の区別がつきづらい場合は、男性である確率が70%というように出力されます。
J-SEMS.AIはこの仕組みを官能評価に応用したものです。

手順

1.試料の準備


10種類のチョコレートを用意します。パネルは20人用意します。

2.J-SEMS.PROで採点法を実施


用意した10種類のチョコレートを評価し識別できるかを官能検査します。J-SEMS.PROを使い、甘味、苦味、酸味、口どけ、コク、香りの評価項目で、10段階の採点法の検査を実施します。この結果を解析し、チョコレートの特徴を5つの評価項目で説明できるのかを確認します。説明できない場合は、評価項目の変更や試料の選定を行います。

3.J-SEMS.AIで検査実施(データ収集)


学習には多くの検査結果が必要となるため、J-SEMS.AIではスマホを使ったデータ収集(官能検査実施)を行います。各パネルは提示された試料の特徴を5つの項目で評価し、その結果をJ-SEMS.AIに転送します。

4.J-SEMS.AIで機械学習

十分なデータが収集できたら、J-SEMS.AIで機械学習を実行します。学習(ディープラーニング)は通常のパソコンでは能力不足であるため、専用の機器を組み込んだものを使用します。

5.J-SEMS.AIで推薦

良好な学習結果が得られれば、「10段階評価で、甘味8、苦味3、酸味4、口どけ9、コク4、香り6のチョコレートが好み」と指定された場合、もっとの近いチョコレートをピックアップし、推薦することができるようになります。

システム構成

J-SEMS.AIはJ-SEMS.PROとJ-SEMS.AIがインストールされた専用のパソコン、WiFiルーター、検査を実施するためのiPad、検査を実施するためのiPhone(iPadでも可)で構成されます。iPadやiPhoneには専用のアプリをインストールします。

J-SEMS.AIの運用

良好な学習結果を得るためには、その基本となるJ-SEMS.PROやJ-SEMS.TIMEに検査の実施と、その結果に基づいた学習用データの収集、その選別、学習の実行、学習結果の考察等のノウハウが重要となります。
J-SEMS.AIはハードウエアとソフトウエア(カスタマイズ)だけでなく、そのサポート(コンサルティング)を含めたシステムとして販売いたします。